一寸庵のブログ

茶道宗徧流について書いてます

2010-01-01から1年間の記事一覧

盆立の事 陸安集別冊 その二十三

第八 茶盛の事 一、棗、盆に載する事なし。盆点は、名物の陶ばかりなり。 一、袋の緒締の事、長緒は、用いず。 一、服紗絹の事、茶入・盆・茶杓、共に、真に畳むべし。 第十 茶杓の事 一、盆立時は、必ず象牙又は、珠光を用うべし。盆立は、古法なる故に、器…

盆立の事 陸安集別冊 その二十二

一、柄杓・蓋置を、棚・堂庫に、手水の間に出だし置く事、常の式に同じ。極老人たらば、建水も出だす。老人にても、飾るにあらざれば、襖を立てべし。 柄杓、蓋置を棚や堂庫に飾って置く事は、本来略式の扱いである。極老人ともなれば、出入りを厭うので建水…

陸安集 別項 軸前、軸脇、軸先について

以前より懸案であった軸前、軸脇、軸先について、流儀の大先輩にご教授賜り、詳細が分かりましたのでご報告致します。 理解出来ますと、今まで記載してきました陸安集の内容に訂正を加えなければならず、毎回ご覧になられている方々には大変ご迷惑をお掛け致…

盆立の事 陸安集別冊 その二十一

『要録の部』 第三 座席の段々同床の事 一、茶盛を置く時は、最も盆に載せ、客以前より軸先の前へ引き出だし、隅の真中に置くべし。茶盛の恰好に因りて、其の置き所の見合い、肝要なり。客、中立ちして、手水の間に水壺の前に、置合すなり。是は、名物か或い…

盆立の事 陸安集別冊 その二十

第三 床の事の部に出でたる主方の一 一、茶入置くときは、尤も、盆に載せ、軸先の前より、四五寸向こうへ寄せ、壁の方よりも、其の寸法程に置くなり。壁の方の遠近は、茶入の大小によるべし。盆立は、別書にあり。壁の方の遠近は、又、盆の大小にもよるべし…

盆立の事 陸安集別冊 その十九

第六 茶入盆形の事 一、四方盆・簣盆・丸盆・菱盆、右の形を用う。色は朱塗・黒塗・内赤なり。松の木盆というあり。木地を拭い、うるしにする。形は四方と簣と二色なり。若狭盆というもあり。内赤外青漆なり。形は簣なり。此の二品、名物にはあらねども、数…

盆立の事 陸安集別冊 その十八

一、茶入・床に直すに、是、床にかけたるも置くも、花入をば入るべし。此の故に、主、初めより心得あり。名物盆点の時、置花入ならば、花を入れ水をつぐとき、十分に水を注がざるがよし。 一、花入取り込む時、茶巾の雑巾を持ち出で、花入を右にて持ち、底に…

盆立の事 陸安集別冊 その十七

一、客方より床へ直すに、究りたる時は、先ず茶入の表を何方ぞと、主へ尋ぬべし。表見知りたりとも、此の時宜あるべし。尤も、主の服紗かり用ゆべし。盆・茶入のふきよう前のごとし。惣じて、懐中の(服紗)つかうこと好まず。古、常に懐中する事なし。 客が…

盆立の事 陸安集別冊 その十六

一、床へ揚げたる茶入、客帰る迄、其の儘に置くなり。主客時宜によるべし。 恕曰く、亭主同輩の時は、大切の品、御仕舞あれと云いて、主にても揚げたる、客中にてもおろし戻してよし。主受け取りて茶入左、盆右に持ち入る。貴人亭主のときは、其の儘置きても…

盆立の事 陸安集別冊 その十五

第五 茶入床へ揚げようの事 一、盆・茶入の拭きよう前の如くなり。拭き終り盆に載せ、床際真中へ引き寄する。さて、我が身、軸先へ寄り床へろく(直)に向かい、両手にて我が脇にある茶入を、盆の左右の縁を持ち、床の上三分へ一の真中、前の畳の縁より一寸…

盆立の事 陸安集別冊 その十四

一、名物茶入等は、随分大切に取り扱うべし。両肘ともに畳に付きて、見るべし。常の茶入にても蓋など取り落とし、残りたる茶などこぼさざるようにすべし。末流にて、名物の茶入、又は、棗等、服紗にのせて見物するよし。古法これ無き事なり。其の儘にて、手…

盆立の事 陸安集別冊 その十三

一、服紗の事、盆立にては、初め腰にはさみ出で、点前になりては懐中すると覚えべし。仕舞に、茶碗に茶杓かけて巳後は、腰にはさみて宜し。此の通りせざれば、作前あしし。 一、客、茶入を見物の事、名物と知れたれば、座の真中に置き、一同に手をつきながら…

盆立の事 陸安集別冊 その十二

一、次ぎに客より、盆も望むなり。前の如く拭い、出だす所は図の如し。茶入の袋も望むならば、是も図の如く出だすべし。 一、名物の時は、茶入と盆と二品ばかり望む。茶入見仕舞て後に、袋・茶杓望む。袋は、茶入に添いたる品なれば、此の時望む。茶杓は、茶…

盆立の事 陸安集別冊 その十一

一、此の時客より、茶入所望あり。其の時茶入を拭く事、前の如くして、茶入を出だす所は、図にあり。 一、茶入・盆共に、両手にて膝前に引き寄せ、客の方へ向かい居て、服紗真に畳み、前の如く茶入拭い、茶入の蓋を取り、茶を点つるときのごとく、盆の鏡前縁…

盆立の事 陸安集別冊 その十

新年明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。 一、茶入を、前のごとく諸手にて取り、蓋を常の如く取りて、盆の前の縁の真中に、かがみよりもたせかけ置く。其の手にて直ぐに、茶杓を取り、茶を入れ則、碗の上に置く事常の如…