一寸庵のブログ

茶道宗徧流について書いてます

2009-01-01から1年間の記事一覧

盆立の事 陸安集別冊 その九

一、ここにて客へ、膝御直しあるべきとの、一礼有るべし。挨拶次第に、我もとくと居すわり、茶碗を左手にて取り、右にて常の如く、膝の前に置く。建水を茶碗の跡へ直すなり。懐の服紗絹を取り出だし、脇にてほこりを払い、真にたたみ茶杓をふき、盆の勝手の…

盆立の事 陸安集別冊 その八

一、建水、勝手口の際外にあるなり。堂庫にあるときは、其の内前勝手の方、前隅にあるなり。それを取り出すか、又、勝手にあるを、居ながら向きて取り出だし、左手にて茶碗の跡の方に仮に置く。さて、柄杓、蓋置、棚にありとも、栓にかけありとも、右の手に…

盆立の事 陸安集別冊 その七

一、右勝手のとき、盆拭う間、茶入を建水座の先へ直す時、表炉のときは、左にて取り上げ、右手を添えて直すべし。隅炉のときは、右にて取りあつかい、前書し通りしかるべし。猶、又、茶入の大小・畳の広狭によりて、時の作前あるべし。風炉と同意なり。 右勝…

盆立の事 陸安集別冊 その六

一、優れたる茶入を盆立にする時は、初めより袋を取りて、建水の座の先に置く事、前に同じ。其の外同然なり。初座入に飾るほどの名物の茶入なれば、袋ともに茶碗の先へ置きて、盆を拭う。名物にてなく、拝領の茶入などの茶入を、盆立にする時は、直ぐに袋よ…

盆立の事 陸安集別冊 その五

一、盆拭き仕舞、服紗右に持ちながら、盆を本の所に置く。手を引き服紗絹を腰にはさみ、さて、茶入を右の如く左手を添え、我が前へ取り、直ぐに中にて左手の掌にのせ、袋を取りて栓に掛ける事、常の如し。茶入は、膝の前畳の上に置くなり。(畳の上に置くこ…

盆立の事 陸安集別冊 その四

一、主、茶を点てに出ずるとき、茶碗持ち出で、建水の座に、仮に置くなり。 一、右の通り茶碗を置きて、向立、又は、風炉のときは、茶を立つるときのすまいよりは、少し茶入の方へ向かうべし。四畳半か三畳半のときは、茶入へ眞向かいに向かいて、茶入を右手…

盆立の事 陸安集別冊 その三

一、盆にのする茶入なれば、風炉の時にても袋に入るる。唐物点も同前。袋に入るる。柄杓も置柄杓ばかりする。(是は『便蒙』にある唐物点の事なり)唐物立はそれに及ばす。 盆に載せる茶入は風炉の時期でも仕服に入れる。これは唐物点の時も同じという。 一…

盆立の事 陸安集別冊 その二

一、柄杓、蓋置は、年若き者にても手水の間に、釣棚か堂庫に必ず置くべし。置く所は、図の如し。壁に栓あるときは栓にかけ、其の下に蓋置を置くなり。勝手口の外に、建水置くべし。蓋置は、とかく柄杓に添うと心得べし。置く所、掛け所ともになき時は、三品…

盆立の事 陸安集別冊 その一

色々と諸事情があり、半年ぶりに更新致します。 今後ともよろしくお願い致します。 一、盆立にする茶入は、唐物、日本物に限らず、名物なるときは、盆に載せてよし。客前より茶入を盆に載せて、床か茶入の棚に置くものなり。客、手水の間に、図の如く水指の…

第二十一 所望の炭仕様の事 便蒙一 二十九右 その四

一、客、炭する内、亭主は客の末座に居るか、座席せまくば、勝手口に居るべし。見合いたるべし。客、釜かくるならば、達て留むべし。炉前へ得と居り、見物して挨拶いたし、亭主、釜をかけ、諸道具勝手へ入るる事、前に同じ。 一、炎天の時分は、客立つ前に、…

第二十一 所望の炭仕様の事 便蒙一 二十九右 その三

一、此の火直す時、客へ炭所望する事もあり。多分は入れざる事なりとは、初心の客は迷惑するなり。達て望む時は、釜をあげて、直ぐに望むべし。亭主下火をならすは悪しし。炭をする者の了簡ある事なり。惣じて、下火は余り平拘し過ぐる時は、炭引き立たず、…

第二十一 所望の炭仕様の事 便蒙一 二十九右 そのニ

一、炭をするに、炭斗口せまきかひろくとも、炭出だすに邪魔になる時は、土鍋へ細炭を取りあけ置きて、炭をすべし。扨て、土鍋より直に細炭はさみ入れて、残りたらば烏府へ入るべし。又、老人などは、手にて直に取り扱うてもよし。炭斗へ移し、又、炉中へも…

第二十一 所望の炭仕様の事 便蒙一 二十九右

一、炭を猶又、心を付けて組み入れ、炭斗ほうろく持ち出でて、置き様も前に替る事なし。下火を心の儘に直し、随分、白灰も消し、灰のそんじたる所、角迄もよくつくろい直し、火の上へも、灰沢山にかけるというは、大きなる残りあるに、懸くる事にてはあらず…

第二十 薄茶の事  便蒙一 二十八左 その三

一、薄茶点仕廻い、客帰らんと云う時、今一炭見物あり度しとの所望あらば、亭主卑下の挨拶あるべき事なり。緩々御咄しあらば、炭継ぐべきなど、断りを云う。夫とも、達て、望む時は、請け合いて勝手へ入り、炭を組むなり。尤も、是は炉ばかりにて、風炉には…

第六 膳出る事 便蒙ニ 六左 (便蒙客方 ニ) その七

一、一汁一菜の時は、食椀の内へ汁椀をも組み入れ、則、食椀の所に置く。向付の皿か平も右の隅へ寄せて、箸を膳の縁にかけずに、筋違にして三分の一の真中に置き、膳を返すなり。 此のごとくし返す事は、一汁一菜は侘人のする事なれば、勝手仕廻いよきように…

第六 膳出る事 便蒙ニ 六左 (便蒙客方 ニ) その六

一、菜の内、嫌いの物ある時は、箸を付けざるがよし。箸を付けたる物は、残さざるように心がけべし。さりながら、少食、又は、老人喰い残したらば、肴骨等を一所に集め、つつまやかにして、蓋をいたし返すべし。飯くい仕廻い、膳返す事、膳の内のならべ様、…

第六 膳出る事 便蒙ニ 六左 (便蒙客方 ニ) その五

一、膳に、菓子に楊枝付けて出でたらば、先ず、箸取るより前に、楊枝を取りて、鼻紙か扇にても載せ置くべし。左なき時は忘るるか、又、食事するに邪魔にも成るなり。湯のみ仕廻い、菓子かにしめ物をくいてよし。侘人は、にしめもなく、やうじばかり付け出す…

第六 膳出る事 便蒙ニ 六左 (便蒙客方 ニ) その四

一、鉢か重箱に入れ、箸にて、引物、茶主、持ち出でたらば、是へ下され候えと申し請け取り、自身盛りてよし。貴人は亭主盛り上ぐるならば、盛りたるを請け取るべし。ニ客より請け取りて、盛り廻すべし。通いの者持ち出で、膳先に置きたらば、正客より次へ挨…

第六 膳出る事 便蒙ニ 六左 (便蒙客方 ニ) その三

一、飯盛出でたる時、汁喰い終わらば、是も乞いて替えべきなり。汁椀の下にすぐに、蓋を重ねて遣すべし。正客の椀を勝手へ持ち入り置きて、又、ニ客の椀を取りに出ずるなり。正客の替汁持ち出で、蓋を閉めながら取るべし。此の時に、三客の汁椀持ち入る。ニ…

第六 膳出る事 便蒙ニ 六左 (便蒙客方 ニ) そのニ

新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。 一、飯の本、もりくい仕廻いても、飯盛出でざる時は、乞いて出でさすべし。其の時、主にても、通いの者にても、食次持ち出で、正客の膳先へ置くものなり。次の客へ、御先へと挨拶し、…