一寸庵のブログ

茶道宗徧流について書いてます

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

道具取合の事 その一

第二十二 道具取合の事 釜と炭斗 便蒙一 三十右 一、大釜は、小ぶりの烏府、小釜は、炭斗大ぶり然るべし。釜、大小の内にても、釜高きには炭取下く、釜ひきくは、炭取高く、此の了簡にて取り合わすべし。夏には必ず、組物菜籠なり。冬は、瓢を用う。さりなが…

第二十 薄茶の事  便蒙一 二十八左 その二

一、薄茶点つる習いの心得あり。濃茶は、さむる事をいといて、さらさらと点つるなり。薄茶は、其のいといなければ、静に爰にて茶を点つる点前の心持ちを、真にいたすべし。惣じて、薄茶の点て様、一通り手熟すれば、万事の手前なりよき物なり。此の故に、宗…

第二十 薄茶の事  便蒙一 二十八左 その一

一、客も亭主も隙にて、緩々と咄ある時は、二度めの火うつり、湯煮えたる時分、薄茶点つるべき由を云いて、水壺持ち出で、諸道具段々持ち出で、茶を点つる事なり。其の品濃茶におなじ事にて、釜の中蓋もせず、客、茶、呑む内も蓋閉めざるなり。外に替わる事…

盆立の事 便蒙三 六右

一、盆点、臺天目、臺子は古実故に、習いとする。然れども、末流のごとく、当流に秘事とする事はこれ無し。其の人の点前手練する時は、追々其の位にてゆるす。又、初学の人たり共、貴人招請か、茶入拝領の時は、其の人の所望によりて、これを免す。其の故に…

不時の茶の湯の事 その二

一、座中、床に掛物、花あり共、其の儘置きてよし。花は前方より入れ置く。別前より入りたるように見え候わば、其の儘置くべし。客、案内を云い入れざる前近く、花を入れ、客の為にもうけたるようならば、必ず取り入れて座敷に置くべからず。此の事、当流の…

不時の茶の湯の事 その一

第三 不時の茶の湯の事 便蒙四 一、客尋ねて参り候時は、まず御尋ね過分、忝の由申し出て、客を中くぐりの外に、またせ置くなりという事。是、初めに書きたる如く、古代待合という所、これ無き事なり。当代待合を、用意する事なれば、幸いの事なり。其の所へ…

当代の茶の湯

陸安集に以下の文章がある。 「当代は数寄屋を茶の別室に心得、茶の湯一通り首尾よく済む。主客、御草臥にてあらん、座敷へお通り休息あれといわんばかりの仕方なり。然るに其の筋はあきて外座敷へ通る事、面白からず、気づまり、草臥る程ならば、広座敷持ち…

「仕官の茶そして草庵の茶」と「利休正伝 宗徧流の歴史」のあとがき

「仕官の茶そして草庵の茶」と「利休正伝 宗徧流の歴史」のあとがき 流祖宗徧以降の歴史は小笠原家の茶頭として幕末まで仕えた山田家と、高弟岡村宗伯の時習軒が車の両輪のように協力し合い、その茶の湯の普及の為に尽力した。その結果、多くの優れた茶人達…

「千家と山田宗徧」のあとがき

「千家と山田宗徧」のあとがき 茶道宗徧流の流祖山田宗徧は、千利休の孫の千宗旦に師事し、たった八年で皆伝を授けられた俊秀である。宗旦は皆伝の証に利休伝来の四方釜を譲り、宗徧は自らを「四方庵宗徧」と名乗った。また、宗旦は後に現在の表千家、裏千家…